定期購読ドール
ただ、今までのようにはいかないだろうと思う。


涙は覚悟を決めて学校へ来たのだから。


「ちょっとトイレ」


千夏はそう言い、アケミの部屋を出た。


ドールの恐怖から解放されたアケミはさっそく新しいオモチャを欲しがっている。


まぁ、あたしも人のことは言えないけれど……。


そう思いながらトイレのドアを開けた時だった、トイレの窓辺に人形が座っているのが見えた。


「へぇ、アケミのおばちゃんって結構少女趣味なんだ」


そう呟き、トイレの鍵を閉めた。
< 250 / 316 >

この作品をシェア

pagetop