定期購読ドール
千夏が怒鳴ると、アケミは再びうずくまってしまった。


肩が震えて、嗚咽が聞こえて来る。


アケミがこれほど泣いている姿を見るのは初めてで、少し心が痛んだ。


だけど、捨てても川へ沈めても燃やしても無意味だったのだ。


これ以上悪あがきしたって、意味はないはずだった。


千夏は覚悟決めて自分の段ボールへと手を伸ばした。


開封して行く音を聞くたびに、アケミは悲鳴を上げる。


それでも、千夏は止めなかった。


これで最後だ。


これで終わるんだから……。


自分にそう言い聞かせながら開封し……動きを止めた。


「え……?」
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