定期購読ドール
その質問に答えず、自分に届いた段ボールを開封する。


中身は千夏と全く同じだった。


片方足りない、耳。


アケミの顔が一瞬にして青ざめて行く。


「あ……あ……そんな……まさか……」


ブツブツと呟き、体がガタガタと震え始める。


「ちょっとアケミ、どうしたの?」


「なんで思い出さないの!?」


アケミは絶叫し、突然勉強机の下段を漁りはじめた。


ペンケースや参考書を次々と投げだして行く。


そして取り出したのは、一枚の写真だった。


「なに……?」
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