定期購読ドール
アケミは千夏の顔に驚き、二人で教室を出た。


「一体どうしたの?」


トイレの個室に入り、ようやくそう聞く事ができた。


「先輩が……他の子と歩いてた……」


しゃくり上げながら言う花。


「え、冗談でしょ?」


アケミは驚いてそう聞いていた。


千夏から聞いていた先輩は、勉強ができてスポーツもできて、誠実な人だったハズだ。


浮気なんてするハズがない。


「すごく楽しそうに歩いてて、手もつないでて……」


そう言って拳を握りしめる千夏。


とても嘘をついているようには見えなかった。
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