定期購読ドール
別れる
千夏は自分の悲鳴で我に返った。


長い長い、最低な映画を見せられた気分だった。


目の間には高校生になったアケミがいて、こちらを見て笑っている。


「やっと思い出した?」


相変わらず、ケタケタという笑い声をあげ、そう聞いて来た。


千夏は呼吸を繰り返しアケミを見つめ返す。


「……あたしは、どうして忘れてたの?」


今は、そう聞くので精いっぱいだった。


「あの後、千夏はすぐに気絶した。みんなでイジメの隠ぺいをするのは大変だったんだからね」


「花の自殺はあたしたちが原因だった」
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