定期購読ドール
あれから随分と月日が流れたように感じられていたけれど、実際は1年も経っていないのだ。


「あの、お焼香をしたいんですが、いいですか?」


千夏がおずおずとそう言うと、花の母親が鋭い視線を向けて来た。


人を射るような視線にたじろく千夏。


しかし、それはすぐに柔らかな笑顔へと変化した。


「もちろん。来てくれて嬉しいわ」


母親はそう言い、二人を家に上げたのだった。
< 286 / 316 >

この作品をシェア

pagetop