定期購読ドール
☆☆☆

これですべての呪いから逃れられるのかどうか、誰にもわからなかった。


家に戻っても半分黒く焦げたドールはそのまま残されていたし、定期購読が終ったのかどうかもわからなかった。


「今日も行こうね」


3日後の放課後、千夏がアケミを呼び止めてそう言った。


あれから毎日、ふたりは花のお墓へ足を運んでいた。


「うん」


そう答えてアケミは立ち上がる。


「なぁ、今日も一緒にいれないのかよ」


和明の声にアケミは立ち止まった。


もうすぐテストが始まるから、部活が休みになっているのだ。


その間を利用して和明はアケミとどこかへ行きたいと考えていたようだ。
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