定期購読ドール
知っている
自分を引き止めた相手が涙だと知ったアケミは、嫌悪感をあらわにした。


「なにか用事?」


低い声で、威嚇するようにそう聞く。


「今度はもうなにもしないの?」


涙がクスッと笑い声を出してそう聞いて来たのだ。


その余裕そうな表情にアケミと千夏は唖然としてしまった。


動かなくなるまでボコボコにしたことを、涙は忘れたのだろうか。


「なにあんた。またイジメられたいの?」


「そんなワケないじゃん。でも、意外とすんなりやめるんだなぁと思って」


涙はそう言い、アケミに一歩近づいた。
< 297 / 316 >

この作品をシェア

pagetop