定期購読ドール
アケミは涙を睨み付けて、一歩前進した。


体が燃えるように熱かった。


絶対に知られてはならない過去を知られてしまった。


「どうしてかなぁ?」


涙は笑顔を浮かべたままだ。


「あたしらのことを調べ回ったんだろ!!」


頭にカッと血が上り、アケミは涙につかみかかっていた。


「まずいよアケミ! ここは目立つんだから!」


慌てて止めに入る千夏。


行きかう生徒たちが興味津々な様子でアケミと涙を見ている。


「あはははははは! また、そうやって、殺すんだ!?」


「うるさい! うるさい! うるさい!」
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