定期購読ドール
「嘘……」


「服も来てるし、靴もはいてる」


「そうだけど……」


花に似ているドールは完成した。


その時、ドールに込められた呪いはどうなるだろうか?


そう考え、千夏は自分の家へと走った。


アケミのドールが完成したのなら、きっと自分もドールも……。


そう思い、震える手で玄関を開けた。


足元へ視線を落とし、絶望に近いため息を吐き出した。


千夏のドールも同じようにそこに鎮座していたのだ。


中学時代の制服を着て、千夏を見上げて笑みを浮かべている。


千夏は恐る恐るドールを手に取った。
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