定期購読ドール
墓石から返事はない。


周囲はとても静かで、風の音しか聞こえてこなかった。


「呪い殺したいならさっさとしなよ! こんな回りくどいことしないでさ!」


アケミの声だけが大きく響き渡っていた、その時だった。


墓石の後ろからガサッと草がこすれる音が聞こえてきて、二人は目を見交わせた。


千夏はゴクリと唾を飲み込み、墓石を見つめる。


まさか、本当に花が現れたとか……?


そう思い、数歩後ずさりをした時だった。


花の墓石の後ろから人影が現れたのだ。


「殺してもいいの?」


そう言って姿を見せたのは……クラスメートの良樹だ。


制服姿の良樹に、アケミと千夏は唖然とした表情を浮かべた。
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