定期購読ドール
「なんであんたがドールのこと知ってんの!?」


アケミが恐怖にひきつりながらも怒鳴りつける。


「あのドールには花の呪いをかけた。どこまで逃げても追いかけてくるよ」


「ちゃんと説明して!」


千夏もアケミと同様に怒鳴っていた。


一体なにがどうなってるのか、全然見えてこない。


「俺はずっとアケミのことが好きだった。それは知ってる?」


そう聞かれて、アケミは良樹から視線を外して頷いた。


「良かった。俺はイジメに加担はしてなかったけど、アケミのしていることは全部知ってた。花にしたことも、もちろん知ってた」


良樹の口調は静かだった。


二人を咎めているような様子もない。
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