定期購読ドール
花の母親はすべてを知った上で、自分たちを家に上げたのだ。


そう思うといたたまれない気分になった。


「花の両親は快く俺の計画にノってくれたよ。花の骨の一部を譲りうけた俺は、それをドールの頭部に入れて、呪いを完成させた」


アケミはベッコリとへこんでしまったドールの頭部を見つめた。


あそこに花の骨が入っていたなんて……。


今までの怪奇現象は、すべてそのせいだったんだ。


「アケミのことが好きなのに、苦しめたの!?」


千夏が聞くと、良樹はなんでもないように頷いた。


「そうだよ。だって君たちは他人をもっともっと苦しめてたじゃないか。俺も苦しかったよ、アケミが全然振り向いてくれなくてさ……」


「そんなの異常だよ。好きな人を苦しめるなんて……!」


千夏の言葉に、良樹は左右に首を振った。
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