定期購読ドール
千夏がいれば止めてくれたかもしれないが、今アケミを止めてくれる友人はいなかった。


ふたりは真っ直ぐゲームセンターの中へと入って行き、プリクラの機械を選び始めた。


男女ふたりでプリクラを撮るなんて、友達同士でやることじゃない。


まさか、本当に彼女……?


ゲーム機の影から様子を伺っていると、プリクラ機から楽し気な笑い声が聞こえて来た。


思わず奥歯を噛みしめる。


和明に彼女がいるなんて聞いてない!


焦りと憤りに呼吸が浅くなっていく。


数分間撮影したのち、ふたりはようやくプリクラ機から出て来た。


和明は女の子になにか伝え、1人でどこかへ行ってしまった。
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