定期購読ドール
きっと、トイレかなにかだろう。


1人残された女の子はプリクラを挟みで切り分け始めた。


声をかけるなら今だ。


アケミはゲーム機の陰から姿を現し、真っ直ぐに女の子へ向けて歩き出した。


その表情はすでに怒りで目が吊り上がっている。


「ねぇ、あなた」


「え?」


突然声をかけられ、驚いたように目を見開く女の子。


近くで見ると随分と綺麗な子だ。


それが余計にムカついた。


「あんた、誰?」


威圧感のあるアケミの声に女の子はたじろき、トイレのある方向へと視線を向けた。
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