定期購読ドール
「組み立てられるロボットだよ」


答える声も先ほどまでと違って緊張感を持っていた。


それだけでアケミたちがA組のクラスカースト上位なのだとわかった。


「ロボット?」


そう声をかけてきたのは千夏だった。


いつの間に移動してきたのか、アケミの後ろから顔をのぞかせている。


「毎号雑誌の付録についてくる部品を組み立てるんだ」


和明が緊張している良樹の代わりに答えた。


「あ、これ見たことある! ロボットのピート君だ!」


千夏が雑誌に乗っているロボットを指さしてそう言った。


「そういえばテレビで見たことあるかも。へぇ、これを組み立てることができるんだ?」


アケミもそのロボットに見覚えがあったようで、好奇心から瞳孔が開いている。


「うん。毎号買うとなると、ちょっと高いけど」


良樹がようやく表情を柔らかくしてそう答えた。


アケミたちだって、むやみに人をイジメているワケではない。
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