定期購読ドール
☆☆☆

和明がトイレから戻って来たのは、それから2分ほど経過したときだった。


戻ってみると石川涙の姿がなく、アケミがいた。


「和明! 偶然だねぇ!」


アケミは満面の笑みを浮かべて和明へ声をかけた。


「アケミ……」


名前を呼んだものの、周囲を見回して石川涙の姿を探している。


その様子にアケミはムッとしたが、表情には出さなかった。


「誰かを探してるの?」


「あぁ。友達と一緒に来たんだけど……」


「それってもしかして、涙ちゃんのこと?」


アケミがそう聞くと、和明は驚いたようにアケミを見た。
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