定期購読ドール
「同じ学校の子だよね? あたしも涙ちゃんと何度か話したことがあるから、知ってるんだ」


「そうなんだ? 涙はどこに行ったか知ってる?」


和明の質問に、アケミはゲームセンターの出口を指さした。


「男の人と一緒に出て行っちゃったよ?」


「え?」


「彼氏だったのかなぁ? 腕を組んでたけど……」


「冗談だろ?」


和明の表情が険しくなる。


「怖い顔してどうしたの?」


アケミは素知らぬ顔で小首を傾げた。


「彼氏はいないって言ってたんだ」


「そうなんだ? でも彼氏に見えたけどなぁ……?」


和明の目は見る見る吊り上がり、苛立ちを隠す素振りもなかった。
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