定期購読ドール
そう思うと居ても立っても居られない気分になり、頭を抱えた。


昨日はふたりを引き離すことに成功したけれど、毎回上手く行くとは限らない。


昨日ついた嘘だって、簡単にバレてしまうだろう。


「どうすればいいんだろう……」


「そんなに思い悩むなんて、アケミらしくないよ?」


千夏はアケミの頭をポンポンと撫でてそう言った。


「だって……」


「大丈夫だって。まだ付き合ってないなら、奪うチャンスはあるじゃん」


前向きな千夏の言葉にアケミは顔をあげた。


「あたしたち、そんな温い場所で生きてないでしょ?」


アケミの耳元でそう言った。


「それ、どういう意味?」


聞き返すアケミに、千夏はニヤリと笑ったのだった。
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