定期購読ドール
☆☆☆

今日の和明は休憩時間になると頻繁にスマホをいじっている。


きっと石川涙とメッセージのやりとりでもしているのだろう。


けれど和明の表情は常に険しくて、楽しい会話はしていないのだろうと憶測できた。


「和明、さっきから怖い顔して、どうしたの?」


アケミはいつもと変わらぬ態度でそう声をかけた。


「……喧嘩」


和明はスマホから視線を上げずにそう答えた。


その声もひどく苛立っている。


「喧嘩って、誰と?」


アケミがそう聞くと、和明はようやく顔を上げた。


「好きな人と」
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