定期購読ドール
和明の言葉に胸がズキンッと痛むのを感じる。


それでも、笑顔は絶やさなかった。


「もしかして、昨日の子?」


アケミの言葉に頷き、再びスマホに視線を落とした。


目の前のアケミのことなんてほとんど気にしていない様子だ。


「よかったら話し聞くよ? 和明が怖い顔してるから、みんな気にしてるしさ」


そう言うと、和明は教室内を見回した。


特に和明を気にしている様子の生徒はいないけれど、アケミにそう言われれば気になって来る。


和明は大きく息を吐きだし、ようやくスマホをポケットにしまった。
< 51 / 316 >

この作品をシェア

pagetop