定期購読ドール
「援助交際だと思う」


そう言ったのは千夏だった。


打ち合わせをしていたワケじゃないけれど、ここまで嘘を並べれば通じるものだった。


「援助交際!?」


「シッ! 耕平、声が大きいよ」


アケミは慌てて周囲を見回した。


が、本当は確認なんてしていない。


「涙ちゃんに限ってそんなことしない」


耕平は声を抑えてそう言った。


「B組のみんなは騙されてるんだよ。あたしたちは本当に見たんだから!」


千夏がそう言った時だった、「それ、本当?」と、声がして柱の陰から女子生徒が姿を見せた。
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