定期購読ドール
「……なに?」


あからさまに嫌そうな表情を浮かべ、アケミは石川涙を見た。


「あの……和明は、あたしのことをなにか言ってませんでしたか?」


か細い声でそう聞いてくる石川涙。


『和明』と呼び捨てにしているのがムカついた。


「別に、なにも聞いてないけど?」


そう答えたのは千夏だった。


石川涙は千夏の方へ向いき、落ち込んだように眉を下げた。


「そうですか……」


「和明とあなたって、どんな関係?」


アケミが聞く。


「いえ……別に……」


慌てて左右に首を振る。
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