定期購読ドール
☆☆☆

「正直、ドールとかもうどうでもいいよね」


廊下からB組の様子を眺めていた千夏がそう言った。


B組内では涙イジメが行われていて、涙はさっきから一人で掃除させられている。


「あ、千夏のところにもハガキが届いたんだ?」


アケミはパックのリンゴジュースを飲んでそう聞いた。


「うん。まぁ辞める必要もないならそのままにしといた」


「あたしも~。今は涙イジメを見てる方が楽しいよね」


そう言って声を上げて笑う。


B組の生徒たちは放課後になると全員帰ってしまい、教室内はガランとしている。


涙だって一人なのだからさっさと帰ればいいのに、バカみたいにずべての掃除をし始めたのだ。


「あんなの純粋じゃなくてただのバカだよね」


千夏がそう言って飲み干したジュースのパックをB組に投げ入れた。
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