定期購読ドール
まだまだイジメは始まったばかりだ。


これからが本番なのだから、甘い顔を見せちゃいけない。


「あれ、お前らまだ残ってたのか」


そんな声がして振り向くと、サッカー部のユニフォーム姿の和明が立っていた。


「和明!?」


驚いて、アケミの声は裏返ってしまった。


「今部活中じゃないの?」


「あぁ、教室に忘れ物したんだ」


千夏の質問にそう答えた。


今、B組ではカナたちが涙をイジメているはずだ。


教室には誰もいないから声で気が付いてしまうだろう。
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