定期購読ドール
「それなら、あたしが取ってきてあげるよ!」


咄嗟に、アケミはそう言っていた。


「え? 別にいいよ。ここまで来てアケミに頼む必要はないから」


けげんそうな表情になってそう言う和明。


確かにその通りだ。


階段を上がればA組は目の前なんだから。


「じゃ、じゃあ一緒に行く!」


「はぁ?」


アケミの言葉に和明はますます眉間にシワを寄せた。


「あたしも教室に忘れ物したの!」


「……それなら別にいいけど」
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