定期購読ドール
B組の教室内では涙がカナたち三人に囲まれ、頭の上で雑巾を絞られているところだった。


「くっさ!」


「便所雑巾、頭から被ってやんの!」


「エンコー女にはちょうどじゃん!?」


最悪なタイミングだ。


アケミは背中から汗が流れるのを感じた。


こんな状況を見て、和明が無視するとは思えなかった。


きっと涙に声をかけて助けることだろう。


そう思い、うなだれる。


「自業自得だな」


次に聞こえて来た声に、アケミは「え?」と、和明を見た。
< 84 / 316 >

この作品をシェア

pagetop