定期購読ドール
和明は涙に声をかけることなく、A組へと入って行く。


アケミと千夏は慌ててそれにつづいた。


「援助交際なんてしてるから、イジメられるんだ。同情はできない」


和明は冷めた口調でそう言い、ロッカーの中からブルーのタオルを取り出した。


「そ、そうだよね……?」


アケミはドキドキしながらも和明に同意する。


「俺、もう行くけど。お前忘れ物は?」


そう言われて、ようやくアケミは我に返った。


忘れ物があると嘘をついてここまでついて来たんだった。


「う、うん。あったよ」


アケミは机の中からカラーペン取り出し、そう答えたのだった。
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