定期購読ドール
「そんなこと考えながら恋愛するの?」


「千夏はそういうこと考えないの?」


「考えないよ。好きじゃなくなった相手と、嫌々付き合い続ける方が、申し訳ないじゃん」


「なんだかよくわかんないけど」


アケミはそう言って肩をすくめた。


とにかく、相手から告白してもらった方がなにかと都合がいい。


多少の我儘は許されるし、自分に嫌われないように頑張ってくれるし。


「そんなこと考えてる間に、また他の子に盗られたりして」


千夏の言葉にアケミは立ち止まった。


そして笑う。


「その時はまた、涙と同じにしちゃえばいいじゃん」
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