定期購読ドール
どうやら、涙の下駄箱から上履が盗まれてしまったようだった。


どうせカナたちの仕業だろう。


「知らない。あたしたち今来たところだし」


千夏がそう答えた。


「そ、そうだよね……」


そう答えてうつむく涙。


なんだか今日は極端に元気がないように見える。


イジメを受けているのだから元気なハズはないけれど、それにしても……。


そう思っていた時、涙と同じB組の生徒が3人登校してきた。


「あ、あの。あたしの上履……」


B組の生徒は涙の言葉を無視し、笑い声を上げながら歩き去ってしまった。


その背中を見送り、涙は下唇を噛みしめる。
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