定期購読ドール
どうやら、イジメはB組全体に広まっているようだ。


会話してくれる生徒もいないため、さすがの涙でも落ち込んでいるのだろう。


その様子を見てアケミと千夏は目を見交わせた。


「誰も会話してくれないの?」


そう声をかけると、涙はビクリと肩を震わせ、そして頷いた。


「B組だけじゃなくて、他のクラスの子も……」


そう言って口を閉じる涙。


いつの間にそんなに広まっていたんだろう。


カナたちのことだから『涙と会話したらハブる』くらいの脅しはしていそうだ。


「そっかぁ。じゃあ仕方ないよね」


アケミは涙の肩を叩いてそう言った。


涙が涙で濡れた目をアケミへ向ける。


「一人で、頑張ってね」


アケミはそう言うと、千夏と二人で昇降口を後にしたのだった。
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