定期購読ドール
「なんでって? だって暇なんだもん」


そう答えたのは千夏だった。


ドアの前で腕組みをし、ニヤニヤとイヤラシイ笑顔を浮かべてこちらを見ている。


あたしは、暇つぶしのオモチャ……?


そう思うが、声に出す事なんて到底できなかった。


そんなことを言えばこの二人はなにをしてくるかわからない。


「お金持ちなんでしょ? 家が」


アケミがハンカチを揺らしながらそう言った。


「家のお金は……あたしのものじゃないから……」


必死でそう言っても、それで許してくれる相手じゃなかった。
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