星の手紙
そのトキメキの中心に彼はいた。


大きな街に出て来ると、途端に自分が暮らしていた街が小さく見え始める。


新しいバイト先も、新しい彼氏も、全部がとても新鮮であたしの記憶を塗り替えて行くのに十分だった。


家に連絡を入れる頻度は毎月減って行き、1人暮らしを満喫する。


そんな日々の中、あたしはすっかり手紙のことを忘れていた。


何度も何度もあたしを助けてくれていたあの手紙は、引っ越してから1度も見ていない。


きっと、あたしに警告をすることがなくなったんだろう。


《もうすぐこの星は爆発を起こします》


最近にニュースではそんなことばかり言っている。
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