星の手紙
あたしが昔熱心に見ていた赤い星が、もうすぐ寿命なのだそうだ。


爆発した隕石は宇宙で粉々に砕け散り、地球への接近はないと報じられている。


「流れ星みたいになって、すごく綺麗なんだって」


彼がそんな事を言った。


「そうななんだ」


そう答えた瞬間、なんだか心臓がざわついた。


苦しいとか痛いとかじゃなくて、一瞬にして自分が死ぬことを悟ったような、そんな気がした。


「サオ?」


「ごめん。今日はもう帰るね」
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