星の手紙
その時だった。


スマホが鳴り響いてあたしは我に返った。


スマホを確認してみると、実家からの電話だ。


涙をぬぐい、電話に出る。


「もしもし?」


『もしもしサオ!? サユが倒れたの!』


切羽詰ったお母さんの声。


「え……?」



『帰って来られる!?』


ただ倒れただけなら、きっと帰ってこいとは言わないだろう。


あたしは無意識の内に喉を鳴らして唾を飲みこんでいた。


「すぐ、帰る!」
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