彼女のセカンドライフ

彼女の堂々とした態度は、今の武尊には、威圧感さえ与えた。
 
しかし、これがきっかけで、この時初めて参加した女性の中で、こんな人が来てたんだと、彼女の存在を知った。
 
この凪美子という女性、やけに落ち着いていて、自分よりもかなり年上だと感じた。

何かロングヘアで、彼女の目力から、気が強そうと思わせた。

たぶんオシャレ?武尊の思う彼女の見た目はそんな感じだった。

「どうせ私も人数合わせだから、英君が帰るなら私も帰ろうかな~」

この合コンに気が乗らなそうに、彼女が言った。立ち尽くす武尊を見て、

「就活上手くいってる? 大変ね」気遣う彼女に、武尊は俯き鼻で笑った。

「帰るなら送ってあげようか? 私車だから」

と言う彼女に、男のセリフだろう!と思いながら、武尊は、車さえ持っていない。

「いえ、電車で帰ります」と速攻断った。
 
はじめ互いの印象は、凪美子は、武尊のことを男としても見ていない、不愛想で無口な子、そんなイメージだった。

武尊もまた、凪美子を女性としては見ていなく、それ以前に心にかすりもしなかった。

「何か上からな感じ!?」それ程度だった。

なので、互いの第一印象はあまり良くなかったかもしれない。

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