家族ってなんだろう
母は厳しい両親のもと育てられたようで
私たちはよく比較されていた。
「あんたたちは幸せよ。私のころなんか……」と。
内容はよく覚えていないが、遊びには行かせてもらえなかったらしい。
高校卒業と同時に家を出た母は、
就職先で今の父に出会い、結婚した。
二十歳のときだった。
前に一度、母との会話で印象に残っている言葉がある。
「ばあちゃんが死んでも、私は泣かないだろうね」
今、まったく同じことを、私と妹は思っている。

母だけに教育された私は
何にしても極端で否定的な母の意見を
高校卒業するまでずっと、正しいと思ってた。
「合わない人とは、関わらなければいい」とか。
そのせいか母には友達がいない。
今思えば、母の言う通りにして
母に認めてもらえることが、嬉しかったのかも知れない。
固定観念に囚われていて、根拠のない自信に満ち溢れていた。

妹は私より早くそのことに気付いたのか
高校生ごろから反抗的で嫌っているようだった。
私は反抗期がなかった。
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