東京✖️ソウル
「大丈夫です、わたしが韓国行きます」
10分前にわたしがマネージャーに言った一言
私は某外資系航空会社でグランドスタッフとして働いて2年が経った。
この仕事は本当に辛い。辛いけどわたしにとってやりがいのあって、転職だと自分でも思っている。
職場環境もとてもいい。外資系ならではで日本人社員の割合は40%でその他の社員は外国人。
特に韓国人・中国人・フィリピン人・ブラジル人が多い職場
「ねえ、韓国行くんだって?よかったじゃん」
「あ、はい…」
そう、さっきいきなり韓国に配属になった。
「何?嫌なの?」
仲のいい先輩、 榊美奈〈サカキミナ〉が私に問いかける。
「違うんです…急に決まったので」
「そうだよねー急すぎるよね。ま、でも彼氏は喜んでくれるんじゃない?」
「あ、はい…」
わたしは苦笑いしながら答えた。
先輩が言っていた私の彼氏は今はもう私の彼氏ではない。
つい先週『別れよう』と言われた。
ここに就職する前に私はカナダのバンクーバーで1年程語学留学をしていた。
そこで出会ったのが元彼。
留学が終わる頃には彼と付き合い始めていた。
初めての外国人彼氏だった。
彼は優しくて私にとってもったいないぐらいの彼氏だった。
お互い国は違うし、文化も違う。
私達は今まで英語で話してきた。
少しお互いの言語も勉強してきた。
でもやっぱり英語でコミュニケーションをとっていた。
『別れよう』と言われた理由に言語の壁も上げられた。
今は韓国に行きたくもない。でも会社の人達には別れた事も一切言っていない
色々と考える暇もなく渡航の日になってしまった。