ラヴ・ミー・テンダー
武智さんと一緒に暮らし始めて早数ヶ月、私は彼が待っている我が家に帰ってきた。

「ただいま、景さん」

リビングのソファーに座ってマンガを読んでいた武智さんに声をかけると、
「お帰りなさい、陽葵さん」

武智さんはマンガをローテーブルの前に置くと、返事をしてくれた。

つきあい始めて、一緒に暮らし始めてから、私たちはお互いのことを名前で呼ぶようになった。

少しずつではあるけれど、関係が進んでいるなと思っている。

「結婚式、どうだった？」

そう聞いてきた武智さんに、
「とてもよかった、聖恵が幸せそうで何より」

私は答えた。

それまで敬語で話していたけれど、それではおかしいんじゃないかと言うことで対等な感じで話すようになった。
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