ラヴ・ミー・テンダー
本当のことを言うならばーー武智さんの事情もあるからーー他の人に言いたくないのがいいけれど、だからと言って黙っているのも苦しかった。

「ああ、それは…」

話を聞き終えたミヤジは息を吐いた。

「何を言えばいいのかよくわからなかったし…言ったとしても、景さんからして見たら全部嫌味に聞こえちゃうんじゃないかなって思って…」

「佃は何がしたいの？」

そう聞いてきたミヤジに、私は首を傾げた。

「武智くんから過去の話を聞いた時、佃は今後をどうしたいと思ったの？」

「どうしたいって…」

「過去が重たかったから別れようと思った？

親に愛されなかったと言うトラウマがあったから別れたいと思った？」

「そんな訳ないじゃない」

ミヤジの質問に、私は首を横に振って答えた。
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