ラヴ・ミー・テンダー
「私は景さんと一緒にいたいと思ってるの。

結婚したいと思ってるし、子供も欲しいと思ってる」

私の返事に、
「それでいいんだよ」
と、ミヤジは満足そうに微笑んだ。

「武智くんに正直に伝えればいいんだよ。

一緒にいたいことと結婚したいことをはっきりと伝えればいいんだよ。

過去は関係ないから、一緒にいたいってそう伝えればいいんだよ」

「伝える…」

「それにさ、前にも言ったよね？

こう言うのは"少しずつ”でいいから歩んで行けばいいって」

そうだ、言っていた。

武智さんと一緒に暮らすことになったことを話したその日に、ミヤジはそう言っていた。

「"結婚した＝夫婦になった”と言う訳じゃない。

少しずつ、それこそ時間をかけて夫婦になって行くものなんだよ」

ミヤジは言った。
< 144 / 155 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop