ラヴ・ミー・テンダー
ミヤジはホッとした様子を見せると、
「よかった、悩みは解決できたみたいだな」
と、言った。

「何か楽になった」

「ハハハ、それはよかった」

ミヤジはそう言うと、腕時計に視線を向けた。

「そろそろこの辺で終わりにするか」

「うん、お疲れ様」

「はい、ご苦労様でした」

会計を済ませてハワイアンカフェを後にすると、入る前は青かった空が黒に染まっていた。

「日が短くなったな…」

入る前は暖かかった空気が出た頃にはひんやりと冷たくなっていた。

「さて、帰ろうか」

自分に言い聞かせるようにして呟くと、家に向かって歩き出した。

「大切なのはこれから、自分たちはどうしたい…か」

先ほどミヤジに言われたその言葉を口の中で呟きながら、私は彼が待っている家へと向かった。
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