ラヴ・ミー・テンダー
「トリプルベリーハイボールときゅうりの1本漬け、骨なしももの唐揚げとレバカツで」

「あいよー」

返事が返ってきたことを確認すると、メニュー表を戻した。

「はい、ハイボールときゅうりの1本漬けね」

ほぼ同時に、カウンターに先ほど注文したそれが置かれた。

ジョッキを手にしてハイボールを口にすると、ベリーの甘酸っぱさとウイスキーの独特の苦みが喉を刺激した。

あー、美味しい。

締め切りが無事に終わったと言うこともあり、なおさら美味しく感じる。

きゅうりを1切れ口に入れてパリパリと噛み砕きながら、唐揚げとレバカツがくるのを待った。

ガラガラと、ガラス戸がまた開かれた。

「はい、いらっしゃい」

お客さんがきたので、私はチラリと入口の方に視線を向けた。
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