ラヴ・ミー・テンダー
武智さんは私の隣に歩み寄ると、
「隣、いいですか?」
と、声をかけてきた。

「はい、どうぞ…」

私が返事をしたら、武智さんは隣の椅子に腰を下ろした。

「コークハイと唐揚げ」

「あいよー」

武智さんは注文をした。

メニュー表を見ないで注文をしたところを見ると、常連なのだろう。

きゅうりを口に入れながら、私は思った。

「ここ、よくくるんですか?」

武智さんが聞いてきた。

「はい、きます」

私は首を縦に振って返事をした。

「そうなんですか」

「はい、コークハイね」

武智さんの前にコークハイが置かれた。

彼はジョッキを手にすると、コークハイを口に含んだ。

ゴクリと、喉仏が動いた。
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