ラヴ・ミー・テンダー
本当にいい男だな。

心の中で呟いたら、
「はい、骨なしももの唐揚げとレバカツね」

私の前に先ほど注文したそれらが置かれた。

唐揚げとレバカツにレモンをかけると、
「いただきます」

私は唐揚げをかじった。

うん、美味しい。

コクリとハイボールを口にすると、ため息がこぼれ落ちた。

やっぱり、唐揚げとハイボールはベストコンビだな。

そう思っていたら、クスッと隣から笑い声が聞こえた。

驚いて隣に視線を向けると、
「美味しそうに食べるんですね」

武智さんがクスクスと笑いながら言った。

「あっ…何か、すみません」

私が言ったら、
「いえ、幸せそうだなと思いまして」

武智さんが言い返した。
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