ラヴ・ミー・テンダー

私の名前は佃陽葵（ﾂｸﾀﾞﾋﾏﾘ）、２９歳。

職業は小説家で、柳田ひまり（ﾋﾅｷﾞﾀﾞﾋﾏﾘ）と言うペンネームで恋愛小説を書いている。

私が小説家になったのは、大学３年生の時に『葉月出版社』主催の小説大賞をネットで見たことがきっかけだった。

読書が好きだったし、中学生の頃は文芸部に所属していて小説っぽいものをいくつか書いていた。

そう言ったことから私は小説を書いて、大賞にエントリーをしたのだった。

その時は、もしダメだったら笑い話のネタにはなるかも知れないと言うくらいの気持ちだった。

それから半年後、私がエントリーした作品が優秀賞を受賞したとの連絡が出版社からあった。

本名でデビューしてもよかったけれど、子供の頃に“佃煮”と名字をからかわれたことがあったので、母親の旧姓である“柳田”を名乗って、小説家デビューをして、現在に至ると言う訳である。