ラヴ・ミー・テンダー
「気持ち悪い…」

と言うか、怖い…。

今までも作品の誹謗中傷や登場人物の不満が書かれた手紙がきたことはあったが、こんなにも気持ち悪いと思った手紙は初めてである。

これ、警察に言った方がいいヤツだよね…？

待て待て、先に編集部だ。

編集部の方にこの手紙がきたことを伝えてどうするか考えて警察に…と考えたところで、
「あれ？」

私はふと気づいた。

「『隣人ジュリエッタ』はこの間に書きあげたばかりのはずなんだけど…」

編集部に渡したのは今日ーー日付けがすでに変わっていたので、正確には昨日ーーの昼である。

この作品が載ることになっている雑誌が発売されるのは２ヶ月後である。

「何でこの人は、何もかもを知っているのかしら…？」

私は手に持っている手紙の内容をもう１度読んだ。
< 38 / 155 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop