ラヴ・ミー・テンダー
週が明けた月曜日、私は『葉月出版社』を訪ねた。

私の担当の岩橋氏に手紙のこととその内容のことを伝えた。

「確かに、これは先日に先生が書いたばかりの『隣人ジュリエッタ』の内容ですね」

元アメフト部で5年前に結婚して現在は2児の父である岩橋氏は手紙の内容に絶句していた。

90キロ近くあると言う巨体は元アメフト部だなと、私は思った。

「誰かに内容を話したと言う心当たりは…?」

「ありません」

「誰かを家にあげた覚えはありませんか?

それで内容を見たと言う可能性もありますし」

「身内や特に親しくしている人以外ないです。

ミヤジーー宮下さんとも外で会って打ち合わせをするようにしていますし」

「そっか…」

私の答えに、岩橋氏は腕を組もうとしたが出ている腹のせいでできなかった。
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