ラヴ・ミー・テンダー
「確かに、皆川さんの言う通りだな…。

先生、また書くことになってしまいますが…」

そう言った岩橋氏に、
「わかりました、何とか今週中に書きあげます」

私は返事をした。

幸いにも温めているネタはあるから、その中から選んで何とか書きあげよう。

「先生、頑張ってくださいね」

そう言った皆川さんに私は笑って返事をした。

手紙はもしものことを考えて、もう1枚コピーをして編集部で預かることになった。

本物をカバンの中に入れて出版社を後にすると、私は息を吐いた。

「仕方ない…」

それにしても、本当に誰が手紙を送ってきたんだろう?

何より、何で話の内容を全部知っていたのかしら?

今日は自転車に乗って出版社にきたので、駐輪場へと足を向かわせた。
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