ラヴ・ミー・テンダー
話した方がいいのかな…?

でも、無関係の武智さんを巻き込むのはよくないかな…?

「佃さん?」

何も言わない私に、武智さんがまた声をかけてきた。

「ーー特に心当たりは、ないです」

私は答えた。

「そうですか。

それじゃあ、修理しますね。

30分ほどで終わりますので、あちらでおかけになってお待ちください」

武智さんが手で指した方向に視線を向けると、そこには椅子があった。

「はい」

私は返事をすると、椅子に歩み寄って腰を下ろした。

一体、誰の仕業なんだろう?

何で私は嫌がらせをされているのだろう?

と言うか、何かやったのかな?

考えてみるけれど、心当たりは思い浮かばない。

先日書いたばかりの『隣人ジュリエッタ』の内容も知っていたところを見ると、
「ーーストーカー、とか…?」

私は呟いた。
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